書籍でわかる!自己破産

vol.1 宮部みゆき氏の火車 | vol.2 高杉良氏の小説 消費者金融

◆ 高杉良氏の小説 消費者金融

元々バリバリの高利貸しであった主人公(取立ての鬼であったため、オニタマなどとあだ名を付けられていた・・・)が友人の助言や偶然によってアメリカの消費者金融業会を視察し、従来の「高利貸し」業態では長く商売をしていくことができないことを実感、「低利」でもビジネスが成り立つ消費者金融業会を創ろうと尽力する話です。主人公は自分の会社だけ金利を大幅に引き下げ、その結果収益が落ち、一度は倒産を経験しますが、その後データベースを基にした債権回収代行企業を起こします。新しく作った債権回収代行会社も周囲の嫉妬から散々紆余曲折を経験しますが、なんとか一人立ちできるまでに成長していきます。2007年3月現在、主人公の築こうとした年率30%という金利や紳氏的な取立て手法は当たり前のものとなっていますが、当時としては画期的であり、簡単には受け入れがたいものだったことがよくわかります。まっとうな商売で、安く利便性が高いにも関わらず、売上が伸びず倒産してしまったこと、理屈で考えれば有用な仕組みが既得権益の前では受け入れられないことなど、世の中の不条理が赤裸々に描かれており、読み終わると義憤を感じざるを得ません。しかし、データベースを基にした紳士的な取立てや迅速な審査はキャッシング業界が爆発的に成長する一因となったことは間違いありません。本当に正しいこと、有用なものはいつかわ受け入れられるという良い例かもしれません。